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執筆者の写真Ayu Obara

アジャイル組織を作るための5つのポイント:後編

更新日:2022年6月15日

前編では、 アジャイル組織とは何か、アジャイル組織が生まれ経緯を解説しました。

後半では、アジャイル組織を作るための5つのポイントについて解説します。


是非、御社でも時代に合ったアジャイルな働き方を取り入れ、より効率的な働き方が浸透するよう、役立ててみてください。


※こちらの記事は下記のマッキンゼー社のアジャイル組織に関する記事をGrasp!が翻訳したものになります。

原文はこちら The five trademarks of agile organizations | McKinsey (https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/the-five-trademarks-of-agile-organizations?cid=soc-web)



アジャイル組織 後編

アジャイル組織の5つのポイント


アジャイル組織の核となる真のアジリティ(機敏性)は5つのポイントすべてが適切に連携して機能している場合に可能となります。



アジャイル組織の5つのポイント

1. 組織を通しての「北極星」(共有する目的とビジョン:コアバリュー)


マインドセットシフト


FROM: ”競合他社、顧客、サプライヤから株主のために価値を獲得することで成功する”から⇒

TO: ”利用できる豊富な機会とリソースを認識し、すべての利害関係者と価値を共創することで成功する”へ


アジャイル組織は、誰に対して価値を創造するのか、そして価値の創造方法の両方を再考するものです。

顧客中心で、顧客のライフサイクル全体にわたって多様なニーズを満たすことを目指しています。

顧客だけでなく、幅広い利害関係者(従業員、投資家、パートナー、コミュニティなど)との間で価値を創造することにもコミットしています。


すべての利害関係者の絶え間なく進化するニーズを満たすために、アジャイル組織は分散した柔軟なアプローチを設計し、外部パートナーを価値創造システムに直接統合します。


製造業におけるモジュール製品とソリューション、流通における機敏なサプライチェーン、電力の分散型エネルギーグリッド、Uber、Airbnb、Upworkなどのプラットフォームビジネスなどがその例です。


これらのモジュール式の革新的なビジネスモデルにより、安定性と前例のない多様性とカスタマイズの両方が可能になるのです。


分散型の価値創造モデルに一貫性を持たせ、焦点を合わせるために、アジャイル組織は組織を共有する目的とビジョン(”北極星”)を設定します。

この北極星は、顧客が購入先を選択する際、従業員が勤務先を決定する際、パートナーが提携先を決定する際の指標として機能します。


Amazon、Gore、Patagonia、Virginなどの企業は利害関係者を北極星の中心に置き、その結果、価値を生み出す方法の中心に存在しています。


2. 権限を持ったチームのネットワーク


マインドセットシフト


FROM: ”従業員は指示され、管理される必要がある。指示・管理されなければ何をすべきか分からなくなり、職場がカオス状態になる”から⇒


TO: ”明確な責任と権限を与えられると、人はより熱心に仕事へ取り組み、互いに助け合い、独創的な解決策を見出し、予想外の結果をもたらすことができる”へ


アジャイル組織は安定した最上位構造を維持しますが、残った従来の階層の多くを柔軟で計測可能なチームのネットワークに置き換えることが出来ます。


アジャイル組織は、高水準の整合性、説明責任、専門性、透明性、および協力によって動く権限を持ったチームの密なネットワークで構成されています。


Gore、ING、Spotifyなどのアジャイル組織は、下記のような要素に焦点を当てています:



★生物にとっての細胞のように、アジャイル組織の基本的な構成要素は、目的に適した小さなパフォーマンス細胞です。


機械としての組織モデルと比較して、これらのパフォーマンス細胞は通常、自律性と説明責任がより大きく、多くの専門分野にわたり、より迅速に組み立て(および解散)られ、特定の価値創造活動とパフォーマンスの結果により明確に焦点を合わせています。


★共有タスク(例:チーム)で作業する個人のグループ、または別々に作業していても組織的に作業する個人のネットワークで構成できます。

さまざまなタイプ(図3)を組み合わせて、複数のカスタマイズされたアプローチを作ることが出来ます。



正しいアジャイル組織モデル


3. 迅速な決断と学習サイクル


マインドセットシフト

FROM:”適切な結果を提供するために、社内最上位で経験豊富な個人が社員たちの向かう方向、そこに到達するために必要な詳細な計画、および途中でリスクを最小限に抑える方法を定義する必要がある”から⇒


TO:”私たちは絶えず進化する環境におり、どのような未来になるかを正確に知ることはできない。リスクを最小限に抑えて成功するための最善の方法は、不確実性を受け入れ、新しいことを試す際に最も早く、最も生産的になることである”へ


アジャイル組織は、創造性と達成のプロセスに密接に整合した思考と行動の急速なサイクルで動いています。

設計思考、無駄のない運用、アジャイル開発、等として展開するかにかかわらず、統合と思考、実行、学習の継続的かつ迅速な反復は、アジャイルな方法で革新と運用を行う組織の能力を形成します。


迅速なサイクルモデルの特徴:


●アジャイル組織は、迅速な反復と実験に重点を置いています。

チームは、1〜2週間の”スプリント(1〜4週間で固定された開発サイクル)”で主要な成果物(最小限の実行可能な製品または成果物)を迅速に作成。


この短期間で、チームは進捗状況を共有し、問題を解決し、整合性を確保します。


”スプリント”の合間には、チームメンバーがミーティングを開き、レビューと計画を行い、現在までの進捗状況を話し合い、次の”スプリント”作業目標を設定します。


チームメンバーは作業の末端間の結果に対して責任を負う必要があり、製品が顧客のすべてのニーズに対応し、運用プロセスの管理を確実にするために、利害関係者に直接意見を求める権限を与えられています。


このアプローチに従うことで、時間を節約し、修正を減らし、創造的な”リープフロッグ”ソリューション(”技術などが段階を飛び越えて一気に進展する変化”の意)の機会を生み出し、所有感、説明責任、チーム内の達成感を高めます。



4. 情熱に火をつけるダイナミックな人的モデル


マインドセットシフト


FROM:”望ましい成果を達成するために、リーダーは常にタスクを指定し、従業員の仕事を管理することにより、仕事を管理・指示する必要がある”から⇒


TO:”効果的なリーダーは、従業員が仕事に対して完全に所有権を持てるようにする。それにより組織がその目的とビジョンを達成することに繋がると確信している”へ



アジャイルな組織文化は、人々を中心に置き、組織内の人々を惹き付け、権限を与えます。迅速且つ協調的に、そして効果的に価値を作り出します。


アジャイル組織のリーダーシップは、組織内のスタッフに権限を与え、成長させます。

彼らはプランナー、ディレクター、コントローラーではなく、彼らは明確なビジョンを持った人、建築家、コーチとなり、そして卓越した結果を提供できるようにします。


そのようなリーダーは、スタッフが行動し、戦略的および組織的な意思決定に関与するよう動機づける触媒でもあります。


アジャイル組織は、共通の文化を持つまとまりのあるコミュニティを生み出します。

その文化的規範は、ルール、プロセス、またはヒエラルキーではなく、高い信頼で繋がった環境での積極的な行動と影響力によって強化されます。


5. 次世代の実現技術


マインドセットシフト

FROM:”テクノロジーは、優先順位、リソース、予算によって定義された特定のサービス、プラットフォーム、またはツールを企業に提供するサポート機能である”から⇒


TO:”テクノロジーは、組織のあらゆる側面においてシームレスに統合された中核であり、価値を解き放ち、ビジネスおよび利害関係者のニーズに迅速に対応できる手段である”へ



多くの組織にとって、組織モデルの抜本的な再考には、製品とプロセスの基礎となるテクノロジーの再考、および速度と柔軟性をサポートするために必要なテクノロジーの実践が必要です。


組織は、新しいリアルタイムのコミュニケーションツールおよび作業管理ツールを活用することから始める必要があります。

モジュールベースのソフトウェアアーキテクチャを実装すると、チームは他のユニットが開発したテクノロジーを効果的に使用できます。

これにより、生産サイクルの遅延を招く可能性のある引継ぎや相互依存性を最小限に抑えられます。




上記の5つのポイントを踏まえ、アジャイル組織は安定性とダイナミズムのバランスを取り、前代未聞のチャンス溢れる時代に繁栄することができるようになるのです。



 

アジャイルな働き方の導入には、新しいツールを導入したり、スタッフの意識改革をしたりと越えるべきハードルは複数あるため、躊躇してしまう企業も多い事でしょう。


しかし、全て最初からパーフェクトな状態で始める必要はありません。

今回解説した通り、新しいツールやアイディアの導入の際には機敏性(アジリティ)を活かし、”とりあえず導入し、組織に合うかどうか試行錯誤しながら、不要な物は潔く切り捨て、良い物は継続し軌道修正を重ねていく”スタイルで、出来るところから始めると良いと思います。


ビジネスにおけるデジタル化など、海外にいるからこそ導入し易い点もあるかと思います。

御社のビジネスに少しでもお役に立てれば幸いです。


 

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