2025年3月のインターンスタッフ/ベトナムでのキャリア
- Grasp! Vietnam
- 4 日前
- 読了時間: 10分
ベトナムでの採用・転職支援サービスGrasp!は先月ホーチミンオフィスにて日本人大学生2名をインターンスタッフとして1週間迎え、さまざまな試みを行い、海外/ベトナムでのキャリアなどについて考える日々を過ごしました。
・立命館大学2年 大原さん
・東洋大学1年 寺司さん
の2名。
お二人共にご家族の都合などで、東南アジアへの渡航・居住経験をお持ちであり、今回のベトナムでのインターンシップもそうしたことがきっかけだったそうです。

Tue Thanh寺院にて
【Grasp!のインターンシップ受け入れに対する考え方】
当社では創業以来、度々インターンスタッフを受け入れており、多少のノウハウや慣れはあるのですが、今回は1週間の短期間ということで、正直「何をすべきか?」と悩みました。
当社の主な事業は人材紹介・採用支援サービスなど、いわゆる無形サービスのBtoBビジネスであり、できることといえば、
■新規開拓営業
・潜在顧客企業テレアポリスト作成
・テレアポ
・企業訪問への同行
・営業トークのロープレ
■マーケティング業務
・ブログ記事作成
・SNS運用
などであり、弊社に入社された社員さんがまず行う業務と同様のことをやっていただくことも考えました。
しかし1ヶ月以上のインターン期間ならこれでよいのでしょうが、1週間(実質5日)だと、業務に慣れた始めた頃に終了となってしまいます。
これまでのインターンスタッフの傾向を見てると、1ヶ月以内の場合、期間を終了し帰国してしまうと、インターンで何をやったのかあっという間に忘れてしまうのが大半のようです。
そのため、どんなことでもいいので、帰国後も記憶に残る、弊社側からするとインターンスタッフさんも「将来のお客様」と捉え、『少しでもいいので、弊社について爪痕を残す』ことに主眼を置くことに決めました。
それで、何をしたかといえば、基本的には代表の熊澤が2人につきっきりでお話をするということです。熊澤曰く「鼎談型インターンシップ」とのことでした。
当初、受け入れる人数を1人にするか2人するか迷ったようですが、1対1で対談し続けるのはお互いにとって厳しいのではと判断し、複数名を受け入れることとしました。
なお、弊社ではインターンでお越し頂く方々を、「インターン生」とは呼びません。
弊社に来ていただき業務に従事していただく限りは学生ではありませんので、「生」とは付きません。
あくまでもインターン社員として受け入れさせていただきます。こうした言葉の使い方からこだわっていきましょうというインターンスタッフに対するメッセージでもあります。
また、
・対等であること
・礼節を尽くすこと
・自分の意見を持ち、表現すること
この3点について、インターン活動開始の前に、弊社側も含めてお互いに約束しました。
またこれも代表のこだわりなのですが、インターン社員は正社員では無いのも事実です。ただし、正社員の方々もそうですが、会社に価値をもたらしていただくべく働いていただくある種のお客様である、と考えます。お客様は神様ではないので、お互い高め合う、尊重しあう、価値を提供し合う。こういう緊張関係も持って互いに向き合いたいという考えを持ちつつ日々過ごしていく、とインターンスタッフの方々にとって普段とは異なる非日常的なマインドセットを持っていただくことも意図しています。
【活動内容】
■代表からのレクチャー(弊社オフィスにて)
・ベトナム経済/ベトナムビジネス/人材紹介ビジネスについて
・Grasp!の事業内容について
■ホーチミン市内観光
・戦争証跡博物館(3区)
・Tue Thanh寺院(5区)
・Crescent Mall(7区)
・Vinh Khanh Food Street(4区)
・ホーチミン日本人学校(正門前)
・Phu My Hung
・市内のコンドミニアム
■カフェでの業務および鼎談
・Sugar Bakery(1区)×2回
・Kashew Cheese(7区)
・Coffee Beans(7区)
・Belgo(1区)
・その他
■グルメ
・Bun Cha Hanoi(ランチ)
・Pho Tinh(ランチ)
・Banh Cuong(ランチ)
・Toàn Ký Mì Gia(ランチ)
・海鮮Bia Hoi(ディナー)
要するに「あそんで」いました。
ホーチミン市内を観光しながら、時々カフェに入り鼎談する。
そういったスタイルです。
もちろん20歳前後のインターンスタッフと50歳の代表の3人となると、インターンのお二人は緊張されていたでしょうが...
これらの活動を通じて、何かを掴んでいただく、そのきっかけを生み出す機会。
【鼎談内容】
下記の内容について、代表が75%・インターンスタッフ2人が25%話す、という感じで進めました。
4日目には外部企業とのちょっとしたトラブルが発生し、お二人にとっては肝を冷やすようなこともありましたが、それ自体もコミュニケーションの大切さとビジネスの世界の厳しさを肌で体験する良い機会となったのではないかと今では思っています。
また1日目には「自分の履歴書を作成してみる」という課題を行ってもらい、自己客観性を持つことの大切さを味わっていただきました。
3/10
■Office
・自己客観性
・読書
・ビジネスモデル/人材紹介について
・履歴書/職務経歴書
3/11
■Sugar Coffee
・差別心
・意思決定
・人を大切にするとは
・違和感
・歴史/時間
・自己客観性(メタ視点)
・ベトナム戦争
・ガクチカ
3/12
■Kashew Coffee他
・当事者意識(ビジネスにおけるコミットメントとは)
・コスト意識
・海外で働くことの価値
・Over-Achievedについて
・具体と抽象について
・ビジネスモデルよりも大切なこと
3/13
・BS/PLについて
・求職者との面接
・課題の分離
・精神的な強さ
・「海外」という概念
3/14
・健康について
・スマホ利用時間を減らす
・思考を変えて、行動を変える
・一人になることを恐れない
・変人になることを恐れない
・時間の使い方/時間感覚
・海外生活と「自分の居場所」「社会との関わり方」
・ビジネスモデルよりも大切なこと

Vinh Khanh Food Marketにて
以上を踏まえて、インターンスタッフのお一人、寺司さんより感想・フィードバック及びベトナムに関するリポートをいただきましたので、ご本人の許可を得て掲載します。
【ベトナムにおける「自由」の感覚:社会主義国での違和感】
ホーチミンで過ごした5日間のインターンシップは、私にとって多くの学びと気づきをもたらしました。その中で特に印象的だったのは、社会主義国であるベトナムの人々が、驚くほど自由に、そして生き生きとした日常を送っているように感じたことです。日本においては、社会的な規範や経済的なプレッシャーに縛られることが多く、個人が自由に選択するというより周囲の期待に応えることに重点を置いているように思える場面が多くあります。しかし、ベトナムでは、自由というものがどこか異なる形で存在しているように感じました。この「自由」の感覚について、自分なりに考えてみました。
1. 社会主義国と自由の違い
まず、私が感じた「自由」の違和感について考えるには、社会主義国であるベトナムと、民主主義国である日本の政治的背景を少し振り返る必要があります。ベトナムは一党制の社会主義国で、政府の政策が強く国民生活に影響を与えます。自由とは、一般的には「自分の意志で行動できる状態」を指すと考えられがちですが、ベトナムの人々は実際には政府の統制の中でも個々の自由な選択を日々行っているように見受けられました。例えば、ホーチミンの街を歩いていると、多くの若者たちが昼間からカフェでくつろぎ、自由に会話を楽しんでいる姿が目に入ります。彼らは他人の目を気にせずに生活しているように見えました。道端でフルーツを売っているおばあちゃんもいればバイクの上で昼寝をするおじいちゃんもいてその状況が当たり前であり普通であることに自由さを感じました。このような自由な雰囲気は、社会主義という政治体制とどのように調和しているのか疑問に思いました。
2. 日常の中の自由
ベトナムの人々が「自由」を実感している部分の一つは、日常生活の中で選択肢が多く、柔軟に生きることができるという点です。ホーチミンの街では、昼夜問わず活気に溢れたマーケットやカフェが立ち並び、人々が自分のペースで生活している様子が印象的でした。朝早くから夜遅くまで営業しているお店が多く夜でも小さい子供が外で遊んでいる様子にはとても驚きました。また、交通渋滞の中でも、バイクに乗っている人々は、どこにでも自由に移動し、道路を爽快に走る姿が見られます。このような「自由な動き」は、政治的な統制が厳しいという認識とは裏腹に、むしろ生活の中で自分らしく生きるための選択肢を見出しているからだと感じました。
特に、都市部に住む若者たちは、仕事や趣味、家族の関係性において、個人の意志を尊重されていると感じる場面が多くありました。もちろん、社会主義体制の下では制限も存在しますが、それでも個々の生活の自由度が高いのは、どこか日本と違う点だと感じました。
3. 日本との対比
日本では、社会的な規範や周囲の期待に縛られがちです。仕事においても、年功序列や上下関係が色濃く残り、個人の自由な選択が制限されることが少なくありません。一方、ベトナムでは、経済成長が著しく、若者たちはグローバルな価値観を受け入れ、自由に自分のキャリアやライフスタイルを選択することができる環境が整っています。例えば、現地の若者たちは、オンラインビジネスやクリエイティブな仕事に挑戦することができるなど、選択肢が多く、社会の規範にとらわれずに生きることができるのです。もちろん、ベトナムにも社会的な課題や政治的な制限は存在しますが、日常生活の中で感じられる自由の大きさは、私たち日本人にとって驚きでした。よくベトナムは「昭和の日本」「昔の日本」など日本よりも遅れているような言葉で表されがちですが、今の日本に必要なのはベトナム人のようなウェットな人間関係や時間に対するルーズさなのではないかと感じました。社会主義体制が個々の自由を制約しているという先入観とは裏腹に、個人が自分らしく毎日を懸命に過ごしているように見えました。
4. 結論:自由の本質
私が感じたベトナムでの「自由」は、日本での今後の自分の生き方を考えさせるものがありました。政治的な枠組みや経済的な状況がどんなに異なっていても、人々は自分らしく、自由に生きることができるという強い意志があるのだと感じました。ベトナムにおける「自由」は、国や社会の制度の中で与えられるものではなく、個人が自らの意志で切り開くものなのだと思います。
【思ったこと、感じたこと】
大学1年生の春休み、家族が住んでいるベトナムでの新規事業案作成。簡単なものではありませんでしたがたくさんの学びがありました。
ビジネスについてよく分からない私に必要なのはビジネスモデル以前の話でした。
目上の方とのコミュニケーション能力や雑談力、歴史的観点、当事者意識についてなど人間力の部分を磨いていく必要があると強く感じました。学校では教えてくれない社会に出るうえでの大事なことはたくさんあり自分の無知さに驚きました。知識を身に着けるにはたくさんの経験をするということ、本をたくさん読むということ、手段はいくらでもありますが中々行動にうつす人は少ないと思います。私は幼いころから父に新聞を読みなさい、本を読みなさい、ニュースを見なさい、ご飯の時はテレビを消しなさいなど厳しく言われて育ってきました。自分の年齢を重ねるほど当時の父の教えがいかに大事だったかを実感しますし感謝したいと思っています。今回のインターンが終わったあとに父に「Graspさんではどんなことをしたのか」聞かれ熊澤さんと話したことを言ったところ「どの企業で働くことよりも良い経験だね」と言われました。私自身もそう思います。大学1年生のうちに熊澤さんの話を聞けたことをぜひ今後に繋げたいと思います。
-ここまで-
大原さん・寺司さん、弊社代表にとっても良い経験を積むことができました。
本当にありがとうございました!!
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